湯川さん、お願いしたい患者さんがいるんですけど
今、空きはありますか?
大丈夫ですよ。
その患者さんは俺とほとんど歳が変わらない人で
まだ、下のお子さんが小学生。
人ごとじゃない。
そう俺は感じました。
脳梗塞後遺症のため、右半身に麻痺が残っていて、言葉の方も
どもりやすい。
そして、いろいろ言われると、それが頭の中で整理ができない。
仕事に復帰するにはかなり今の状況だと厳しいな。
そう思いました。
何より、大黒柱を失った家族の不安が伝わってきました。
絶対に職場に復帰させる。
俺はそう決意しました。
そして、施術を開始し歩行状態も改善。
歩き始めは右足が棒のようになっていたものが、湯川さん今は全然棒にならないんですよね。
そして、以前はメモをとっても後で読み返した時に、理解ができなかったものも
今ではメモを取らなくても整理できるようになっています。
週に2回りはビリをやっていますが、職場の人からも
どこが悪いのか今ではわからないくらいに回復していると言われているそうです。
これは患者さんが一生懸命、自分自身でもリハビリをしていた結果だと思っています。
そして、その能力を引き出すための知識を少し俺がサポートしただけです。
(本当にそうか)
いや、いろんな先人が開発してくれた知識や技術だ。
俺ではない。
先人が治療してくれたのだ。
つまり、歴史が患者さんを治療してくれたということ。
じゃあ、俺は何をやっているのか?
ただの伝達役だ。
何もすごいことをやっていない。
そんなことを感じた水曜日の朝だった。

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