よく、私は早朝のファミレスに訪問治療に行く前に寄ります。
なぜ、寄るのかと言いますと、資料を作成したり、契約をしている企業の
プロモーションのためのレターを書いたりするためなのですが・・
で、そこでは大体、朝シャケ定食を頼むんですけど。
そこには、高校時代のバレー部のマネージャーがパートとして働いているんです。
そのマネージャーから
「晃史君っていつも朝シャケ定食だよね?」
「他にパンとか食べないの?」
と言われたので、それもそうだなあて思ったんです。
たまには、洋食もいいもんだなーって。
つまり、和食の良さを知るためには、洋食の良さも知っていた方が
より、良いんじゃないかなと言うことです。
ご存知の通り、私は、職業も和食テイストの方に偏っているのですが、
勿論、学校では洋食(西洋医学)も学びました。
3年間みっちりとです。
私は、日中はデイサービスで管理者をやっていたので、夜間で通っていたのです。
しかも、当初は、娘が生まれたばかりで、母親からは
「子供が生まれてから
学校なんか行ってるんじゃない!」
なんて、本気で怒られましたが、女房が3年間働きながらサポートしてくれました。
まあ、そんなこんなで、無事に国家資格を取得したんですけど、
人生はそうは簡単にはいかないんです。
それは、ある冬の午後からの担当者会議で起きました。
「こんにちは!」と私が、白衣のまま入っていくと、
そこには、2モーターのベッドに横たわっている患者さんの周りに
患者さんの奥さんと、ヘルパーさん、女性の理学療法士の先生、そして
ケアマネージャーさんがいました。
一人ずつ自己紹介をしていき、私の番になり
「鍼灸師の湯川です。」と伝えると
「クス」と、笑い声が聞こえてきました。
なぜ、笑われたのかはわかりません。
もしかしたら、ご利用者さんの体を鍼灸師が見れるのか?という意味だったのかもしれません。
ただ、私の中では、ものすごい悔しさがこみ上げてきました。
肩書きってそんなに大事なのか?と
それから私は、県西地区リハビリテーション連絡協議会に参加をしました。
毎月小林病院でリハビリに関する勉強会があったのです。
でも、そこにいるのは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の先生達ばかり。
東洋医学を学んでいるのは、私一人でした。
完全にアウェイ状態です。
その勉強会では、まるで、海外に来たような言語が飛び交っていました。
その当時は、無我夢中でその言葉の意味を覚えようと、年下の先生達に
形振り構わず質問しました。
その後、私は訪問専門の鍼灸リハビリとして独立しました。
ある時、知らない番号から着信がありました。
それは、以前勤めていた時に何度かお会いしたことのあるケアマネージャーさんからでした。
「湯川さんに診てもらいたい私のご利用者さんがいるのですが、まだ
空きはありますか?」との相談でした。
「今、ちょうど一人卒業したので大丈夫ですよ。」とお伝えしました。
ただ、「私の携帯の番号は誰から聞いたのですか?」と伺うと
色々な人に聞いて調べて頂いたようです。
それから、ご紹介頂いた患者さんにお会いして、骨折した股関節の状態を確認すると、、
手術をした時よりも、
痛みがひどくなっているとのこと。
どう見ても、手術をした方の左足の長さが短くなっているのです。
私は「一度、ドクターに診てもらったほうがいいですよ?」
とお伝えしましたが、患者さんは、「リハビリの先生は大丈夫だからって
言ってましたよ?」と。
その後、ケアマネさんから携帯に電話がかかってきました。
内容は、、
「あの後、レントゲンを撮ったところ、もう一度再手術になりました。
ありがとうございます。」
と連絡をいただきました。
私は、大手の訪問業者のように、宣伝はしていないのです。
その理由は、本当に私に診てもらいたいという人とだけ
お付き合いしたいと思っているからです。
私自身、患者さんを抱えようとも思っていません。
その方が一番良い方法でケアをできたら良いと思っています。
先日も依頼を頂いたケアマネさんに、
「その症状でしたら、訪看さんの方が良いケアができると思います。」
とお伝えしました。
ですが、それでも、診て欲しいとのことでしたので、現在は週1日施術に伺わせていただいております。
ですが、訪問マッサージと聞くと、
「あ〜ちょうど肩が凝っているからお試しでお願いできる〜?」という
ケアマネさんも中にはいました。
これはケアマネさんではなく私達、訪問マッサージ業者がいけないのです。
マッサージ=肩こり、腰痛、手軽に30分2980円とか
宣伝しちゃってますもんね。
ある意味、病院に行って、
「ちょっとお腹が痛いんだけどお試しで診てくれるー?」って
言っているのと一緒ですよね?
私の高校時代の友人は、同じように
「ちょっと腰が痛いからタダでやってやー。」って
言ってきます。
そんな時、私ははっきりと断ります。
なぜなら、私が今現在診ている患者さんに申し訳ないと思うからです。
きっと、ケアマネさん達も、病院に行って「タダで見てくれる?」って
先生には言わないですよね?
要するに、リハビリ=理学療法士という考えから、少しは和食(東洋医学)という選択肢もあっていいんじゃないかということです。
私達治療家は、チームとして患者さんのニーズを満たしていくのであって
それには、色々な選択肢がある事を知っていただきたいのです。
お腹を満たす(身体が回復する)ためには、和洋折衷で包括的に見ていく必要があるのでは無いでしょうか?
この手紙によって、あなたの選択肢の幅が広がり、ちょっと待てよ、東洋医学と合わせたら回復が加速するのでは無いかな?という考えになってくれれば
幸いです。
考えてみると県虹リハに勉強会からのお付き合いですね。懐かしくなりました。
当時、東洋医学を然程知らなかった私には湯川さんの存在がとても刺激になったのを覚えています。
今、私は作業療法士という肩書きにも理学療法士という肩書きにも鍼灸師にも医者にすらも拘りや関心がなくなりました。
目の前の方を元気にするのは肩書きじゃなく、同じヒトだと思うからです。ただ、元気にする為に使うツールが作業療法であるだけです。
こうなれたのも湯川さんとの出会いがあったからです。
>私は作業療法士という肩書きにも理学療法士という肩書きにも鍼灸師にも医者にすらも拘りや関心がなくなりました。
良いですね!!
俺と一緒です^^
そんな感じになると枠が外れますよね!!
俯瞰できるというか、距離感がちょうど良くなって、見えないものが見えてきます。
見え方というのか、価値観というのか、変わってきているのは確かです。