肉じゃががうまい理由と家族の味


先日、久しぶりに肉じゃがを女房が作ってくれた。
キッチンに立って、ジャガイモの皮をむいている姿を見て、ふと昔のことを思い出したんですよ。

俺が子どもの頃、祖母ががよく作ってくれた料理のひとつが肉じゃがだった。
なぜ、祖母なのかというと実家は自営業で両親は共働きだったため祖母がいつも料理を作ってくれていました。
夕方、学校から帰ると、家の中には甘辛い醤油とみりんの香りが漂っていて、「あ、今日の晩ごはんは肉じゃがか」とすぐに分かった。
あの香りを嗅ぐだけで、なんだかホッとしたもんだ。

でも、正直に言うと、子どもの頃は「また肉じゃがかよ」と思っていた。
カレーのほうがよかったし、唐揚げが出た日なんて、それだけでテンションが上がった。
肉じゃがは、いわゆる「普通のご飯」っていう感覚だったんだ。

それが大人になって、女房が作るようになってから気づいた。
肉じゃがって、実はめちゃくちゃうまいんだ って。

シンプルなのに、深い味わい
肉じゃがの材料はシンプルだ。
ジャガイモ、玉ねぎ、にんじん、牛肉(または豚肉)、そして醤油、みりん、砂糖、だし。
どれも特別なものじゃないのに、これが一緒に煮込まれると、どうしてあんなにうまくなるんだろう。

ジャガイモはホクホクで、出汁をしっかり吸い込んでいる。
玉ねぎはとろけるように甘くて、肉の旨味がしみ込んでいる。
この「しみしみ感」が、肉じゃがの最大の魅力だと思う。

そして、時間が経つほどに味が馴染んで、次の日の肉じゃがはさらにおいしくなる。
「味が染みる」っていうのは、料理の世界でも、人間関係の世界でも、大事なことなのかもしれない。

家族の味とは何か
俺が祖母の肉じゃがを懐かしく思うように、今、息子も娘も女房の作った肉じゃがを食べている。
まだ気づいていないかもしれないけど、いつか大人になったとき、「ああ、女房が作ってくれた肉じゃが、うまかったな」って思い出す日が来るかもしれない。

家族の味って、特別な料理じゃなくてもいいんだ。
豪華なご馳走じゃなくても、「いつもの味」が心に残る。

思い返してみると、祖母の肉じゃがは、毎回ちょっとずつ違った。
ジャガイモが崩れている日もあれば、汁気が多い日もあった。
でも、どんな味でも「家の味」として受け入れていたんだと思う。

そして今、女房はそんな味を残しているのかもしれない。

あなたにとっての“肉じゃが”は?
肉じゃががうまい理由、それは単なる「味」だけじゃない。
家族と過ごした時間、思い出、温かさが詰まっているからこそ、うまいんだ。

あなたにとっての「肉じゃが」は何ですか?
子どもの頃、家でよく食べた料理、大人になって改めて「うまい」と感じた料理。

もし久しぶりに思い出したなら、作ってみてください。
きっと、その味の中に、懐かしい記憶が染み込んでいるはずですよ。

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